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バックナンバー
1: 風水の基本
2: 沖縄サミット編
3: 風水の歴史
4: 地形からみる風水
5: 住宅の形から見る風水
6: 住環境
7: 土地の活かし方
8: 建物の配置と門・塀・アプローチ・玄関
9: 風水を取り入れた間取りプランの考え方
10: 住宅の配置と門・玄関
11: 台所(キッチン) 
12: 床の間  
13: 風水とトイレの話
14: 仏壇と神棚
15: 浴室と風水
16: 引越しと屋敷祈願
17: 吹き抜け
18: 部屋からの眺め
19: 鬼 門
−床の間−
風水の仕事をしていると、他所で間取りを鑑定してもらい、「絶対に床の間を造らなければならない」と言われたと駆け込んでくる人があります。本当にそうでしょうか?風水発祥の地・中国には床の間はありません。時々このように、根拠のはっきりしない風水や家相が逆に重荷になってしまっているように感じることがあります。そこで、床の間について考えてみることにしました。

 沖縄では「床の間は屋敷を守る男の神様がいる神聖な場所なので、床のある和室を一番座と呼び住宅の中で最も高貴な場所である。」と言われてきました。
 また、東方位が朝日の昇る方位であるため、「アガリ」と呼んで神聖な方位 と考えてきました。
 この二つの考えがドッキングして「床の間は東方位 に作らなければならない」という通説が出来上がってきたようです。本土では床の間を西に造ったりもしますが、沖縄ではタブーです。それに本土以上に沖縄では床の間の存在感が大きいようです。

 通常、床の間には掛け軸や香炉を飾ることが多いのですが、家庭によっては三線(蛇皮線)や泡盛の甕が置いてあったりします。沖縄の人はよく「本土の床の間には刀が飾られているけれど、沖縄では三線だよ。ウチナンチュ(沖縄人)は平和を愛するからね。」
と言います。
 ところが、床の間云々というのはもともとの風水にはありません。中国の住宅は土間と床(ゆか)で造られており、畳間は無いからです。畳間は日本独特のものだと思います。だから和室と呼ばれているのです。

 琉球王朝時代から沖縄の住宅は中国だけでなく本土の影響も強く受けるようになりました。特に1609年に薩摩に侵攻され半植民地化されてからは日本式の住宅様式が
主流になったのではないでしょうか。

 床の間というのは日本から伝わったものですが、それが家相として今でも沖縄での判断の基準になっていたりします。家相の先生の中には「必ず床の間を東に作らなければならない」と言い切る先生もいるほどです。

 昨年の話です。50代の男性Aさんから「築5年の建物をリフォームした方がよいのかどうか観て欲しい」という風水調査の依頼がありました。
 訪問してみるとツーバイフォーの輸入住宅でした。いろいろ気になることがあるようでしたが、話を聞くと次女が2年程前に死ぬ ほどの大きな交通事故に遭ったそうです。
 その時は奇跡的に足の骨を折った程度で済んだのですが、周囲から「家相が悪いからかもしれない」と言われ、気になりだしました。
「また同じ様な事故に遭えば今度は大変なことになるかもしれない」と思ったAさんは、奥さんと一緒にある家相の先生に観てもらいました。
 すると床の間の位置が悪いと指摘され、床の間を住宅の一番東に持って来るように指導されました。そうしないと悪い影響が次女に出ると言われたようです。沖縄ではよくある判断です。

 ところがAさんの住宅は輸入住宅で、北にキッチンがあり、北東のダイニングから東のリビングにかけては一つの広い空間になっていて天井は吹き抜けになっています。
床の間は東南から南方位にあって悪い場所では無いように思えます。
 長女は結婚して外国に住んでいますし、仕事柄外国に行く機会の多いAさんの家族にとっては、リビングの広い空間があるからこそ、家族が一緒に楽しい一時を過ごすことが出来、生活が豊かになっているのです。
 素敵なリビングをつぶしてまで床の間にしなければならないのでしょうか?
築5年しかならない住宅を大規模に改造すればずいぶんお金がかかりますし、それに住宅の構造上、壊すことの出来ない壁もありますから、その先生の言う通 りにはなかなか改造できません。
 納得のいかないAさんは悩んだ末、私に相談されたのでした。
 Aさん夫婦が最も心配していたのは、次女の交通 事故の原因となるようなものが
家相にあるかどうかということでした。


 現場を調査してすぐに原因がわかりました。
この住宅の床の間の方位 がどうのこうのではなく、道路に対する住宅の建て方に問題があったのです。
 それは、風水で「街道反弓」と言われるもので、T字路の突き当たりにある路冲の住宅に次いで殺気の強いものでした。
 下り坂になった道路がAさんの住宅のところでカーブを描いているため、急な坂を下って来た車が何らかの理由でカーブを曲がることが出来なければ、すごい勢いで真っ直ぐこの住宅に突っ込んでしまいます。
 また、門の開口部がちょうど道路から車を呼び込むような形になっていて、それも危険です。さらに、道路側に突き出た二階の部屋に殺気が当っています。
私は確信を持って言いました。

和来:「あの部屋が次女の部屋でしょう!」
A氏:「え、どうしてわかったんですか?」
Aさんは驚いた様子です。
和来:「二階のあの部屋は危ないですねー。特にベランダと掃出しが道路に向かっているのが殺気を強く呼び込んでいます。あの部屋に住んでいる人は不眠症になったり、精神的に不安定になったり、事故に遭いやすくなりますよ。」
A氏:「そうなんです。次女があの部屋に住んでから落ち着かないし、事故に遭ってからは恐くて一人で寝れないと言って、三女の部屋で寝ているんです。先生何とか良い方法がありますか?あの部屋はどんな使い方をするのがよいでしょうか?」
Aさんは真剣です。
和来:「安心して下さい。良い方法がありますから・・・。」

という訳で、殺気をよけるための垣根になる高めの樹木を植えることや真っ直ぐ流れ込んでくる殺気をうまくそらし、住宅を保護するために門の開口部の位 置と向きを変えること、二階のベランダにも殺気避けの目隠しや観葉植物、殺気を跳ね返す鏡などを置くことなどを提案しました。この他インテリアや小物に至るまで細々とアドバイスをしました。
そして、最後にAさんに言いました。

和来:「この住宅の最も良い所は、この広くて天井の高さもあるリビングです。ここを床の間にして天井を張ってしまったら圧迫感が出るだけでなく、動線がメチャクチャになって逆に生活しづらい住宅になってしまいます。家相の先生と違う答えになりましたが、家族でよく話しあって判断なさって下さい。」

 結局Aさんは私の鑑定を参考にされました。 小さな手直しをするだけで済み感謝されましたし、その後次女も落ち着いたようです。

1、「床の間が無い家は主人が弱くなる」?
 昔から、本土の家相では「床の間を北東(表鬼門)方位 や南西(裏鬼門)方位に造ると主人が頭を患う」、「床の間は北西や西に造るのが良い」と言われてきました。
 一方、沖縄では「床の間には男神がいらっしゃるので東(アガリ)方位 に造らなければならない」、「床の間は人間の頭を象徴する、床の間が凶相だと頭を患う」、「床の間を造らないと主人が弱くなる」などと言われてきました。

 果たしてこれらのことは本当なのでしょうか?
 現代のライフスタイルでは大きなリビングや広いLDKが主流となって、畳間は減る傾向にあります。若い人は布団よりもベッドで寝る人が増えています。

 さらに、高齢化社会になってくると介護という問題が出てきて、「お年寄は畳間が好き」というこれまでの発想は当てはまらなくなりました。介護される側も介護する側もベッドの方が便利なので、和室でなくフローリングにベッドを置く老人室が増えてきています。お風呂やトイレも車椅子で入れるようにバリアフリーになったり、車椅子に座ったままでシャワーを浴びることのできる座シャワーを取り付ける住宅もあります。
 このため、昔は二間続きの畳間にして、家の中心に近い方に仏壇を遠いほうに床の間を造ったものですが、現代では畳間を造っても一間だけで、そこに仏壇と床の間を並べて配置することが多いようです。
 また、住宅の世界でもグローバル化が進み、輸入住宅が増えて来ましたので床の間が無い住宅もありますし、マンションやアパートでは床の間はほとんど姿を消し、収納になっています。前述したように床の間が神様のいらっしゃる場所であるなら、床の間の無い住宅に住んでいる人たちには禍が降りかかることになります。そうなれば、きっと輸入住宅やマンションは売れなくなると思いますが、現実は逆に住宅から床の間が消えて行く傾向にあるようです。

 私は床の間ではなく、家族が集まる場所にサンクチュアリ(聖なる場所)を設けることをお薦めしています。神仏を祀るというような宗教的な意味はありません。そこには、住宅に入ってきた氣エネルギーが一旦集まり、そしてそこから周囲に良い氣が溢れて流れるという考え方です。これは、琉球王朝時代に蔡温が大切にしたエネルギーの沸き出る場所すなわち、御嶽などの聖地を住宅の中に作るような意味合いです。私はここに琉球風水の本質があると思っています。

 サンクチュアリは飾り棚の一角でも構いません。狭くてもそういう場所を設けることが大切です。サンクチュアリからは滝のように氣エネルギーが流れ下るため、低い場所よりも腰高以上の場所に作るほうが良いようです。


2、「床の間と仏壇を向かい合わせるのは凶」は本当か?
 家相の本を読んでいると、「床の間と仏壇は向かい合わせてはならない、神と仏が喧嘩する」などと書かれていることがあります。果 たして本当にそうなのでしょうか?


 沖縄に住んでいるBさん宅を新築前の風水調査で訪問した時の話です。庭に面 した縁側から座敷に上がると、床の間と仏壇が向かい合っていました。今まで数多くの住宅を見てきましたが、床の間と仏壇が向かい合っている住宅を見たのは、この時初めてでした。この間取りは琉球大学の有名な建築の先生にお願いして設計してもらったということでした。
 家相の本ではこういう住宅は凶相と定義されていますので、来る人来る人が 「この間取りはダメー、悪いことが起きるよ」と言うそうです。
 しかし、Bさんたちはこの住宅に住んで25年以上になりますが、健康で長生きしていますし、この地域の地主で経済的にも裕福です。子供達も順調に成長して、話を聞くと周りから言われるような悪いことは起っていないようです。
 この話を聞きながら「案外、家相でタブーと言われていることも当てにならないな」と思いました。ただ、部屋はやや暗い感じで、風の通 りもさほど良くないようです。
 Bさんは「この家は床の間と仏壇が東西にあって座敷がはさまれているので、少し圧迫感があるのと暗いですし、夏は風が通 らなくて暑いんです。南が庭になっているからまだいいんですが…。今度新築する時には床の間と仏壇は横並びにしようと思っています。」と話されていました。

 なるほど。床の間と仏壇を向かい合わせると風通 しや日光を遮って、湿気の多い沖縄や日本では住み心地が悪く、それに圧迫感も出ます。


 本土では西や北西に床の間を設けることで、西日や北西からの季節風を避けるように工夫されています。
 一方、沖縄では東に床の間を設けるけれども、東側は廊下になっていて暗くならないようになっているし、床の間の後ろの部屋が主人の寝室で、壁があることによって寝室を守るようになっています。また、床の間から寝室に抜ける隠し戸もあり、敵に攻められた際にはすぐに逃げることも出来るように工夫されています。
 こうして考えると「床の間の位置は運勢が良くなるからというよりも生活するのに快適だからという考え方で決められていた。」ということがわかります。

3、床の間の起源
 本土では鎌倉時代以後掛け軸や花器、香炉などが中国から輸入されるようになりました。上級武士たちはこぞってそれらの珍しい工芸品を収集するようになりましたが、それを室内に飾る場所が必要となりました。初めは壁に仏画などを掛け、その壁の前に卓を置きその上に香炉や花器などを飾っていたようです。

 これはその場しのぎのやり方でしたから、やがて本格的にこれらの工芸品を飾るスペースを作るようになっていきます。「押板」と呼ばれる巾30cmほどの厚い板を座敷正面 の窓際に置いて、その上に花器や香炉などを飾るようになりました。
(ちょうど、私たちが縁起物などを買ってきて最初は玄関の下駄 箱の上やテーブルの上などに置いたりして楽しんでいますが、数が増えてくるとやがて専用のスペースを設けるようなものです。こういったスペースがサンクチュアリの原点です。)

 室町時代になって畳が敷かれるようになると「押板」の空間として60cmぐらいをとり、畳の面 よりも一段高くして「上段床」とか「床の間」と呼ばれる作り付けの空間となりました。これが床の間の始まりです。

 このように、当時の人にとって「押板」のある場所すなわち「床の間」は、その家の宝のような工芸品を置く場所でしたし、客人にそれを見てもらう場所でもあったわけですから、置物によって主人の経済力が判断されたわけで、主人の顔であり主人の人格の象徴であったとも考えられます。したがって、床の間は家の中で最も重要な場所となっていきました。

 床の間には神仏を描いた掛け軸を飾りましたので、やがて神聖な場所としての威厳も加わり、家相では神様の宿る場所、一家の主人の運勢を左右する場所としてその吉凶を判断するようになったと思われます。

 したがって、「床の間」は鎌倉時代の上級武士たちの見栄を張る場所として始まったわけで、風水とはあまり関係無いといえます。
 ただし、こういった歴史的な背景を知ってその家のサンクチュアリとして床の間を作るのは良いことだと私は思っています。しかし、「絶対に床の間が必要か?」と尋ねられれば、「家の中にサンクチュアリのスペースを設ければ良いですよ。床の間でなくても飾り棚であっても良いですよ。」とお答えしています。

 
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